進化する白内障手術
白内障手術は眼科で最も多く行われている手術です。以前は見えなくなってから行なう手術でしたが、手術機器の進歩や眼内レンズの進化などにより、単なる視力向上だけでなく見え方の質を向上させる時代になりました。
簡単な手術と思われがちですが、手術を型どおりに終わらせることを成功と考えるか、あるいはその手術が患者さんにとって満足いく結果だったかを成功と考えるかで大きく意味が変わってきます。患者さんが満足する手術とは、その患者さんが手術後にどんな見え方を期待しているかに応えることです。そのためには、術前術後の診察や検査を手術する医師が一貫して患者さんにお付き合いすることが大事です。現在は多くの施設で合理化が図られ分業化が進み、手術専任のドクターと称して流れ作業のように手術だけを実施されておりますが、これでは患者さんの手術への期待が伝わりません。その結果、視力検査では良い結果でも満足いかない手術となります。当院では開院以来、一貫して同じ医師が術前術後の診察と手術を行なっております。
眼内レンズの進歩も著しく、最近ではEDOFといわれる焦点の合う範囲が広いレンズ(保険適応)や乱視矯正レンズ(保険適応)が開発され当院でも積極的に使用しており、保険適応外の多焦点眼内レンズの出番が少なくなりました。これらの先進的な眼内レンズを使用することにより、強度近視や強度乱視も白内障手術により軽くすることが可能になっております。
どの眼内レンズが最も合っているかは、患者さんによって異なりますので手術をする眼科医とよく相談することをお勧めします。当院で使用できる眼内レンズの種類は10種類を超えております。決定に困った際には、眼科手術歴35年の経験豊富な医師が担当しておりますので、的確なアドバイスをしております。